大荒れの2008年: エネルギー需要で 低調なOECD諸国を発展途上国が追い抜く

発表日:2009年6月10日
未曾有の不況の嵐が吹き荒れる中、2008年の世界のエネルギー市場は、世界経済の極端な乱高下と同じ動きをたどりました。この年の前半、世界経済の急成長につれてエネルギー価格も最初は上昇し記録的な高値を付けました。それから金融危機が起こり、世界経済の方向が一転し景気後退に突入するとともに、記録的な価格は値崩れしたのです。 

しかし、2008年は別の理由で注目に値する年でもありました。これはエネルギー価格の値動きほど急激ではありませんが、長期的には、価格の動きと同様、当社にとって大きな意味を持つのはほぼ間違いないでしょう。2009年BP世界エネルギー統計(2009 BP Statistical Review of World Energy)によりますと、中国をはじめとする発展途上国が、一次エネルギー消費量において初めてOECD諸国を追い抜いたのです。 

本日、ロンドンで開催された統計発表会の冒頭で、BP最高経営責任者のトニー・ヘイワードは以下のように述べています。「世界のエネルギー市場の重心は、新興諸国、とりわけ中国へと大きく傾いてきております。この動きが元に戻ることはありません」 

「これは一時的な現象ではなく、時の流れと共にこの傾向は強まるばかりだと思います。この動きは今後も原油価格に影響を与え続けるでしょう。またこれに伴い、経済成長、エネルギー安全保障、気候変動を巡り、新たな難問が生じることになるでしょう」 

「この変化は短期的には不安定をもたらします」とヘイワードは警鐘を鳴らしました。「しかし、現在のエネルギー市場の多様性と柔軟性のおかげで、今後もエネルギーは効率的に、途絶えることなく消費者に供給され続けると私は確信しております」と述べました。 

BPのチーフエコノミスト、クリストフ・ルールは、BP統計のデータによると世界経済とエネルギー価格の劇的な乱高下にもかかわらず、2008年中は市場がエネルギーの安全保障にうまく対応したと述べています。「市場が干渉を受けず自由に機能し続けることが、この先避けられないエネルギー価格の変動に対処するにあたり、引き続きカギとなる」とルールは述べました。

BP統計は、カナダのオイルサンドを除いた石油の確認埋蔵量は1兆2,580億バレルであり、2008年の生産ペースで42年間十分に生産を続けられると報告しています。同じ基準で計算すると、天然ガスは60年間、石炭は122年間生産可能な埋蔵量があります。 

2008年の世界経済は力強い成長の後で急速に衰退しましたが、BP統計にはこうした激動が表れています。統計によりますと、世界全体の一次エネルギー消費量は、2001年以降最低のわずか1.4%増加にとどまりました。中国だけで全体の伸びの4分の3を占めており、残りの多くはアジア太平洋地域の伸びによります。 

先進国では、エネルギー消費量は1.3%落ち込みました。中でも米国は1年あたりの需要の落ち込みが1982年以降最大の2.8%を記録しました。

編集者注:

・長期契約に基づき、中国の福建LNG受入基地へ年間260万トン、韓国のK-Power社及びポスコ社へ合計年間115万トン、及びメキシコのバハ・カリフォルニアのセンプラ・エナジー社LNG受入基地へ年間370万トンを供給する予定です。


・主要コントラクター 陸上の液化設備のメインコントラクターは、ケロッグ・ブラウン・ルーツ社(米-子会社のPTブラウン・アンド・ルーツ・インドネシアを通して)、日揮株式会社及びPTプルタフェニッキ・エンジニアリング社(インドネシア)から成る、KJPコンソーシアムであり、海上生産設備及び海底パイプライン建設のリードコントラクターは、サイペム社(伊)です。。


・タングープロジェクトでは、プロジェクト開発とその地域社会に与える影響に対して総合的な取り組みが導入されました。治安面の整備、また建設期間中と操業段階においての地元民の雇用機会を最大限にするといった地域ベースの取り組みを含め、幅広い総合的な社会プログラムが行われてきました。活動は、プロジェクト建設地に最も近い村々に対する特別プログラムからタングープロジェクト関連地域全域、更に西パプア州地域全体という、より広範囲のものまであらゆるレベルにおいてなされております。。


・タングープロジェクトは、プロジェクトの透明性という点において新基準を設定し、(地元民の)再定住計画に関してはTIAP(タングー独立諮問機関)や外部の行動監視機関等からの報告書を全てのステークホルダーが閲覧できるようにしてあります。最新の報告書はwww.bp.comよりご覧いただけます。


各社出資者

*1 三菱商事株式会社、国際石油開発帝石株式会社
*2 新日本石油開発株式会社、独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構
*3 海外石油開発株式会社(三井物産株式会社連結子会社)、MIベラウジャパン株式会社(三菱商事株式会社、国際石油開発帝石株式会社)、新日本石油開発株式会社、独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構
*4 海外石油開発株式会社(三井物産株式会社連結子会社)、独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 
*5 住友商事株式会社、双日株式会社

ガス:

ガス消費量はここ10年間の平均値を下回る、2.5%の伸びを示しました。ガスのスポット価格が原油価格を大きく下回る状態が続いていたため、米国ではガス消費量が0.6%増加しました。米国以外の地域では、中近東だけが平均値を上回る伸びを見せました。これは国内需要が堅調だったことによります。欧州およびアジア太平洋地域のOECD諸国で原油価格にスライドしているガス価格のほうが急速に上昇しました。景気後退の影響も合わせると、ガス消費量の伸びは平均を下回ったということになります。 

ガス需要において世界最大の伸びを示したのは中国で、この国ではガス消費量が15.8%増加しました。英国のガス消費量は3%増加しました。英国では現在、一次エネルギー全体の39.9%をガスが占めており、世界平均の24.1%を大きく上回っています。 

世界のガス生産量は、ここ10年の3%増という傾向を上回り3.8%伸びました。これは、米国で非在来型ガス資源の開発が進んだことにより生産量が7.5%増加し、ガスの年間増産量が最高値を記録したことが大きな要因となりました。7.5%増という数字は、ここ10年間の平均伸び率の10倍になります。米国に次いで生産量が増加したのは、パイプラインを経由してアラブ首長国連邦への輸出量が伸びたカタールです。欧州では、デンマーク、オランダ、ノルウェーの増産量が英国とドイツでの減産量を上回ったことから、全体では増産となりました。

石炭:

石炭は、消費量についてはここ10年の傾向を下回る3.1%しか伸びなかったものの、6年連続で2008年も世界で最も急成長した燃料となりました。中国は世界の石炭需要の43%を占めていますが、この国の石炭消費量は6.8%増加し、世界の消費量の伸びの85%を占めています。しかし中国以外ではそれほど伸びず、世界の石炭需要は0.6%の増加にとどまりました。これは、自由化された市場において石炭価格が化石燃料の中で価格上昇が最大であったことを反映しています。英国の石炭消費量は7.6%落ち込み、この10年で最低レベルになりました。その原因のひとつは、EUの排出量取引制度における二酸化炭素の価格が誘因となり、他の燃料に切り替えられたことによります。

その他の燃料:

原子力による発電量は2年連続で落ち込み、0.7%減少しました。これは2007年の地震以降、日本最大の原子力発電所の運転休止が続いているため、日本の発電量が10%低下したことによります。水力発電量は引き続き好調で2.8%伸びました。過去10年の平均を上回ったのは、この5年間で4回目のことです。しかし化石燃料と同じく、世界の水力発電量の伸びも中国の伸びに負うものだと言えるでしょう。中国の水力発電量は過去10年の平均伸び率の倍近く、20.3%伸びています。中国以外では水力発電量は0.4%減少しました。 

水力発電と同じく再生可能エネルギーも、全体に占める割合は少ないものの力強い成長を示しました。風力および太陽光による発電容量はともに過去10年の平均伸び率を上回り、それぞれ29.9%、69%伸びています。米国の風力発電容量は49.5%増加し、風力発電の設備容量がドイツを追い抜いて世界最大となりました。英国の風力発電容量は36.3%増えて3.3ギガワットとなりました。しかしこれでもまだ、世界の設備容量の3%未満にすぎません。