BP、アパッチ社と北米およびエジプトの資産売却契約に署名

発表日:2010年7月20日
BPは本日、米国、カナダ、エジプトの上流事業資産をアパッチ・コーポレーションに売却する契約を締結したと発表しました。この総額70億ドルにのぼる売却の対象となっている資産は、米国テキサス州からニューメキシコ州南東部にまたがるパーミアン盆地にBPが保有する資産、カナダ西部の上流ガス資産、エジプトにおける西方砂漠の事業権益ならびにEast Badr El-dinの探鉱開発権です。 

BPは先月、資産売却の目標額を100億ドルに増加すると発表しましたが、本発表の資産売却の決定はこれに続くものです。売却益はBPの手元資金を増やすために使われます。 

BPのカール・ヘンリク・スバンベリ(Carl-Henric Svanberg)会長は次のように述べています。「この2カ月間、取締役会は、メキシコ湾岸の原油流出に起因する債務の弁済に必要な資金の捻出方法について検討してきました。BPの資産基盤は、地理的にも資産の種類の面でも多様で非常に盤石なものです。BPよりも他の企業にとって戦略的価値が高い資産を売却するチャンスはあると取締役会は考えています。本日の発表はそうした資産売却に関する最初の発表であり、価格と戦略基準の面で、相手方とBPの双方の条件を満たしています」 

BPグループ最高責任者のトニー・ヘイワードは以下のように述べています。「BPよりも他企業にとって価値が高い資産について、素晴らしい価格で合意できました。幸先の良い第一歩です。資産売却で最大限の価値を得る当社の実力と決意が、この一歩にはっきりと表れています」 

「この取引は、アパッチ社の北米オンショア業務が成長を続ける基盤となるだけでなく、エジプトに戦略インフラと探鉱開発の可能性をもたらすものです」とアパッチ社の会長兼最高経営責任者を務めるG・スティーブン・ファリス氏は述べています。「わが社はこの機会を得て喜んでいます。それと同時に、BP社員のプロとしての態度を高く評価します。今回の取引が良い方向に進むためには、彼らの協力が不可欠でした」

今回の資産売却益の総額は70億ドルですが、この金額は、慣例的に行なわれている売却完了後の価格調整によって左右されます。アパッチ社からは現金で支払われます。いずれの取引も、BPとアパッチ社の間で個別の合意によって行なわれ、他のどれかの資産売却の完了が条件となっている取引はありません。どの場合も所定の監督官庁による承認(下記に詳細を記載)が必要ですが、売却はすべて2010年第3四半期中に完了する予定です。
アパッチ社は2010年7月30日に総額50億ドルの預託金を支払います。この内訳は、カナダが32億5,000万ドル、パーミアンが15億ドル、エジプトが2億5,000万ドルです。カナダ西部の上流ガス資産の売却については、BPの売却担当会社がアパッチ社を受益者として、この資産の売却価格に相当する転換社債を発行します。取引完了の時点で、転換社債はアパッチ社に売却される資産と自動的に交換されます。 

第三者が売却資産に対する先買権を行使した場合、アパッチ社が支払う価格はそのぶん減額されます。アパッチ社はこの資産を取得せず、BPはこの資産の売却益をその第三者から受け取ることになる点を踏まえてのことです。カナダ西部のガス資産の売却については、第三者により先買権が行使された場合、それに応じて転換社債の総額を調整し、32億5,000万ドルの預託金のうち、先買権の行使分に相当する金額がアパッチ社に払い戻されます。 

どの売却案件についても、必要な監督官庁の承認を所定の期日までに得られない場合(パーミアン盆地の資産売却は2010年10月29日、カナダ西部のガス資産売却は2011年1月31日、エジプトの資産売却は2011年7月19日)、BPはアパッチ社に対して、当該預託金の払い戻し、あるいは、カナダ西部のガス資産の場合は転換社債の払い戻しを行なう必要があります。BPはこうした返済義務を保証しています。 

2009年度(12月31日が年度末)の資産売却取引による再取得原価利益の総額(利払い税引き前)は1億6,600万ドルでした。売却予定資産全体の資産総額(減価償却累計額を控除後の正味資産総額)は2010年6月30日現在で30億8,500万ドルでした(同日現在で、この数字に含まれる有形・無形資産の純簿価は29億9,800万ドル)。

テキサス州とニューメキシコ州南東部にまたがるパーミアン盆地の資産売却

パーミアン盆地に対する支払対価総額は31億ドルです。この金額は、売却完了後に慣例的に行なわれる価格調整によって左右されます。 

パーミアン盆地には10カ所の油田(第31鉱区、エンパイア/イェソ、SELea、ブラウン・バセット、第16鉱区/コイ・ワハ、スプラベリ、ウィルシア、ノース・ミスク、ペガサス、デラウェア・ペン)がテキサス州とニューメキシコ南東部にまたがる地域に存在しています。今回の事業売却の対象となっているのは、BPが操業する2カ所のガス処理施設(第31鉱区とCrane)、ならびにテレル(Terrell)ガス処理施設における休止事業の権益です。これらの資産による純生産量は、原油が日量およそ1万5,100バレル、ガスが日量8,000万立方フィートです。これらの資産には、原油換算で約1億2,600万バレルの実質確認埋蔵量、ならびに原油換算で1億4,800万バレルの実質資源量が付随しています。

カナダ西部の上流ガス資産の売却

カナダ西部のガス資産に対する支払対価総額は32億5,000万ドルです。この金額は、売却完了後に慣例的に行なわれる価格調整によって左右されます。このガス資産には原油換算で約2億1,400万バレルの実質確認埋蔵量、および原油換算で13億6,800万バレルの実質資源量が付随しています。 

カナダ西部の上流ガス事業の純生産量は、ガスが日量2億4,000万立方フィート、原油が日量6,500バレルです。カナダ西部のガス生産施設には稼働中の施設も休眠している施設もありますが、これらの生産施設の管理は、ノエル、オージェイ(Ojay)、チンチャガ(Chinchaga)、ワピティ(Wapiti)、フォックス・クリーク、エドソン、マーテン・ヒルズ(Marten Hills)、サウス・ウェスト、セント・リナ(St. Lina)の操業区域が行なっています。また、計画されているミスト山のコール・ベッド・メタンプロジェクトも含まれています。

エジプト西方砂漠の事業権益およびEast Badr El-dinの探鉱開発権の売却

西方砂漠の事業権益、ならびにEast Badre El-dinの探鉱開発権に対する支払対価総額は6億5,000万ドルです。この金額は、売却完了後に慣例的に行なわれる価格調整によって左右されます。 

エジプトで売却される資産の純生産量は、原油が日量約6,016バレル、ガスが日量1,100万立方フィートです。これらの資産には、原油換算で約2,000万バレルの実質確認埋蔵量、および5,500万バレルの実質資源量が付随しています。BPが開発権を有し100%の権益を持つEast Badr El-dinの事業、および西方砂漠事業でBPが有する権益も売却対象に含まれています。 

いずれの取引も2010年7月1日から有効となります。どの取引を完了するためにも、政府や監督官庁から各種の承認を受ける必要があります。テキサス州とニューメキシコ州南東部にまたがるパーミアン盆地の資産売却は、ハート・スコット・ロディノ法(Hart-Scott-Rodino Act)の独占禁止条項をクリアしている必要があります。カナダ西部のガス資産売却に必要な許可としては、カナダ独占禁止法の承認、カナダ投資法(Investment Canada Act)に基づく許可、カナダ・エネルギー委員会による承認があげられます。西方砂漠の事業権益、およびEast Badr El-dinの探鉱開発権の売却には、エジプト国営石油会社(EGPC)とエジプト石油省から承認を得る必要があります。

また、いずれの資産も売却を完了するには、通常の取引実行条件が満たされていることが必要です。売却に関してBPが付与する代表権および保証責任の侵害がなく、売却完了時に当該資産の所有・稼働・価値に重大な悪影響が及ぶようなことが起こっていない、などがその一例です。

ご参考

・ BPはメキシコ湾の原油流出対策に取り組んでいる結果、グループの財務計画が多くの点で変更されました。2010年第1四半期から第3四半期まで配当支払いの一時停止、設備投資費の大幅削減、非主力の上流資産を中心とした資産売却計画の繰り上げなどがこれにあたります。
・ パーミアン盆地の資産は、アルコ(ARCO)社買収の一環として2000年にBPの北米ガス事業に組み込まれました。
・ 以下に挙げるBPのカナダ権益は今回の売却対象となっていません:カービー(Kirby)およびライスマー(Leismer)のガス田、天然ガス液、北極圏の探鉱開発とマッケンジー・デルタの資産、オイルサンド(サンライズ、テラ・ド・グレース、カービー)、セント・リナ(St Lina)の重油事業、および北米ガス事業。
・ BPは1970年代初頭からエジプトの西方砂漠で事業を展開しています。西方砂漠に対する現在の権益条件は2005年に再交渉されたものです。改訂後の条件では、権益は2024年に失効期限を迎えます(契約者が権益を5年延長できるオプション付き)。Dashour LPGプラントと、その関連のガス・パイプラインの使用などが権益に含まれています。
・ スタンダード・チャータード銀行がBPの顧問を務めます。