発展途上国の経済力向上により、エネルギー需要は大幅増の可能性

2019年2月14日
BP p.l.c.(ビー・ピー・ピーエルシー)

「『エネルギー予測』の意義は、判断や意思決定を行うための大枠やガイドラインを示すことにあります。また、不確実性の範囲を測る、あるいはリスクへの対処方法を判断するための参考として、また、前向きで持続可能性が高い社会づくりを目指すにはどうすべきか、それを決めるうえでの材料にもなります」

グループ最高責任者 ボブ・ダッドリー
『BPエネルギー予測』では、エネルギー転換のさまざまなシナリオを検討し、シナリオから浮かびあがる重要な課題や不確実要素について考察します。検討した全てのシナリオで、世界のGDPは新興国の急速な経済成長を受け、2040年までに2倍以上に増加します。 
「Evolving Transitionシナリオ」(発展型移行シナリオ以下、ETシナリオとする)――政府の政策や、テクノロジー、社会全体の嗜好性などが近年と同様の形や速度で進められると想定した場合では、新興国の生活水準の向上により、2040年までにエネルギー需要は33%程度増加するとしています。インド、中国、その他アジアにおける需要増が中心で、これらの国々を合わせると需要の伸びの3分の2を占めます。このようにエネルギー需要が増加するにもかかわらず、2040年になっても、世界の人口の約3分の2は、一人当たりの平均エネルギー消費量がかなり少ない国に住んでいます。つまり、「もっとエネルギーが必要」ということになります。 
産業や建物で消費されるエネルギーは、エネルギー需要の増加の75%程度を占めます。 
輸送におけるエネルギー需要は、自動車の燃料効率が向上するにつれて、需要の伸びは以前と比べて急速に鈍化します。乗用車の全走行距離のうち電気自動車が占める割合は、モビリティシェアリング・サービスや完全自動運転車の重要性が高まることを背景に、2040年までに25%程度にまで増加します。

一次エネルギーは増加する

一次エネルギーの増加分の75%程度は発電に費やされ、世界の電化率は引き続き増加します。 
・ 再生可能エネルギーはエネルギー源の中で最も急速に伸びる。世界全体のエネルギー供給量の増加の50%を再生可能エネルギーが占め、2040年までに最大の電力源となる。 
・ 石油・その他液体燃料の需要は、2040年までの期間の前半は増加し、その後徐々に頭打ちとなる。液体燃料の生産量の増加は、当初は米国のタイトオイル(シェールオイル)が中心となるが、その後は、米国タイトオイルの生産量が減少してOPEC(石油輸出国機構)の生産量が増える。 
・ 天然ガスは、需要が広範囲にわたることやガス供給力の増加を受けて着実に伸びる。液化天然ガス(LNG)の市場拡大が続くことも追い風となる。 
・ 世界の石炭消費量はおおむね横ばいで推移する。中国とOECD諸国で消費量は落ち込むが、インド・その他アジアでの消費増により相殺される。 

ETシナリオでは炭素排出量は引き続き増加します。つまり、「炭素削減」を実現するために総合的な政策立案が必要だということです。 

『エネルギー予測』では、ETシナリオ以外にも、さらに多くのエネルギーが必要だとするシナリオや、炭素排出量がより減少する場合を想定したシナリオ、貿易摩擦の激化による影響などについても検討しています。